介護保険サービスの一つとしてショートステイ（短期入所生活介護）があります。
ショートステイとは短期間利用できる介護サービスで、宿泊をしながら必要な介護サービスを受けることができます。
主には在宅生活が難しくなってきた方の利用が多くなっていますが、介護者のために利用することも可能なのです。
ここではショートステイの便利な活用方法についてご紹介していきましょう。
目次
ショートステイ（短期入所生活介護）を活用して介護ストレスを回避する
ショートステイは、在宅生活が難しくなってきた高齢者だけではなく、介護している方の負担軽減などのためにも使えるサービスです。
ショートステイとはどのようなサービスなのか、どのような使い方ができるのか、どうすれば利用できるのかご説明していきましょう。
ショートステイとは
ショートステイとは、数日から短期間、施設において必要な介護や支援を受けることができるという介護保険サービスです。
要介護認定を受けている高齢者が利用でき、比較的自立度の高い方から車いす、寝たきり、認知症の方でも利用することができます。
利用に多い方は、訪問介護（ホームヘルパー）による支援だけでは在宅生活の継続が難しくなってきた方で、デイサービスと交互に利用するようなケースが多くなっています。
必要な介護が受けられるだけではなく、生活リハビリテーションや本格的な機能訓練などに取り組むこともできますので、病気の退院後に利用する方も多くなっています。
ショートステイにはこんな使い方が
ショートステイは、介護の頻度が少しずつ多くなってきて、家族の負担が大きくなってくるような場合に利用することもできます。
家族の休息目的による介護保険サービスの利用のことを「レスパイトサービス」と呼んでおり、介護を受ける本人だけではなく、支える家族のケアも考えているのです。
そのため、普段の介護によって少し休憩がしたい、ストレスを感じるといった場合には、積極的に利用することが大事です。
また友人と食事や旅行を楽しみたい、遠方で急に親戚のお葬式が決まった、娘の結婚式に行かねばならない、などといった都合においても利用することができます。
介護は家族が抱えなければならないものではありません。うまく利用しながら、気持ちに余裕を持って介護することが大事なのです。
介護ストレスを抱えているならショートステイの相談を
ショートステイの利用を、介護者の都合や休息のために利用して良いということを知らないご家族は少なくありません。
そのため何かしら都合があってもキャンセルして、介護のために時間を費やしているという方が多いのです。
やはりそのような介護を続けていると、どうしても心理的な負担となってしまい、介護うつの原因になってしまうこともあります。
少しだけでも自分の時間が欲しい、たまには羽根を伸ばして出かけたいと思うことは誰にでも起きる感情です。介護しているからといって、すべて我慢しなければならないものではありません。
自分の時間が必要だと感じるのであれば、迷わず担当のケアマネジャーに相談してみましょう。相談に乗ってもらうことができ、ショートステイの調整をしてもらえるでしょう。
ショートステイ（短期入所生活介護）を活用して介護ストレスを回避できた具体例
後藤ハツさん（仮名 88歳 女性）は娘の明子さん（仮名 53歳 女性）と2人暮らし。
お母様は介護保険でデイサービスと福祉用具レンタルを利用しながら、娘様が介護を担われています。
担当のケアマネジャーは毎月のご家庭への訪問で、お二人の様子を観察していましたが、少しずつ娘様のお母様への言葉がきつくなっていることに気が付きました。
在宅介護に対する負担が大きくなっていることを予想し、娘様にレスパイト（休息）によるショートステイの利用を提案してみました。
「わたしの休息のためにショートステイを利用してもいいんですか？」とびっくりされていましたが、お母様と娘様共にサービスには了承されました。
お母様は「旅行気分で外出できる」と大喜び。施設には大浴場もあって、とても満喫されました。
娘様も久しぶりに外出し、旧友とランチに出かけたり、ゆっくり買い物ができストレス解消ができたようです。
それからも月に数日はショートステイを調整するようにすると、親子関係が良くなり、会話も弾むようになりました。
親子と言えども距離感が大事であることが分かります。
まとめ
ショートステイの利用について介護者のための具体的な利用方法をお伝えしました。
介護保険は介護が必要な高齢者がいつまでも安心して快適に過ごすためのサービスです。しかし介護が必要な方だけではなく、介護者のために使うこともできるのです。
日々の介護で負担を感じていたり、用事があって家を留守にするようなことがあるのなら、積極的に活用してみるといいでしょう。
高齢者と家族共どもが安心して過ごせるようになり、気持ちに余裕を持って介護に取り組めるようになるのではないでしょうか。