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住宅改修(介護リフォーム)で介護をラクにする3つのポイントと具体例

住宅改修(介護リフォーム)は、うまく活用すると本人の行動だけではなく、介護をラクにすることもできます。ここでは3つのポイントとして具体例をご紹介します。

介護保険では条件を満たしていれば一部負担のみで、住宅改修(介護リフォーム)を利用することができます。

介護が必要な高齢者にとっては、難しくなった行為がまた自分でできるようになりますから、自立した生活によって活力を取り戻すきっかけとできます。

介護者にとっても、高齢者自身の自立した生活に繋がりますから、心身ともに負担軽減させることが可能です。

そのため効果的にサービスを活用するようにすればいいでしょう。

ここでは住宅改修を実際にどのように活用することができるのか、具体例を交えながらご説明していきたいと思います。

目次

住宅改修(介護リフォーム)で介護をラクにする3つのポイント

在宅での介護をラクにするには、「玄関」「トイレ」「風呂」の動作ができるようにすることがポイントです。

介護が必要になる部分に手すりなどを設置することによって、自立を促すことができるようになります。

では実際にどのように住宅改修すればいいのか、ポイントと具体例をご紹介します。

玄関の住宅改修

  1. 段差を安全に昇降することができる
  2. 廊下や玄関をスムーズに移動することができる
  3. 靴をスムーズに履いたり脱いだりできる

玄関の住宅改修に取り組む場合、上記3つのポイントを念頭に住宅改修に取り組みます。

玄関は家の出入りに必ず通過する場所ですが、段差がある家がほとんどです。

そのため身体機能が低下した高齢者にとっては、外出できなくなるきっかけとなる場合があります。

段差の昇降に関しては縦型手すりを、歩行のように並行移動に関しては横型手すりが有効です。

玄関段差に関しては、手の届く範囲に縦型の手すりを設置することで、安全に昇降することができるようになります。

段差以外の廊下などの歩行に関しては、高齢者の高さにあわせて横型の手すりを設置すればスムーズに移動することができるようになります。

また安全に靴を履いたり脱いだりするためには、適度な高さの座れる場所を設けるようにします。

自然に座ることができれば靴の脱着がスムーズになり、しかも立ちやすい高さなら、そのまま外出もできるようになります。

トイレの住宅改修

  1. 便座の立ち座りがスムーズにできる
  2. 便座が座りやすい立ちやすい高さになっている
  3. 便座に座ったときに安定させる

トイレの住宅改修を考える際のポイントとしては上記3つの通りです。

足腰が弱くなってくると、洋式便器であっても立ち座りがたいへんになってきます。

そのため便座の横にやや長めの縦型の手すりを設置しておくことで、便座に座ってもスムーズに立ち上がれるようになります。

また便座が低い場合には、座りにくく立ちにくくなってしまいます。

そのような場合には高さ調整のための補高便座を用意すると、立ちやすく座りやすい高さに調整することができるようになります。

麻痺があるような高齢者の場合、便座に座っても姿勢が安定しないことがあります。

そのような場合、座った位置で掴める場所に横型の手すりを設置しておくと、座った状態で姿勢を安定させることが可能になります。

風呂場の住宅改修

  1. 扉の開け閉めがスムーズにできる
  2. 浴槽に入ることができる
  3. 浴槽内で安定して浸かることができる
  4. 洗い場で姿勢を安定させて体を洗うことができる

住宅改修では扉の変更をすることが可能です。

風呂場に入る際の扉は、引き戸になっていることが一番便利です。

内開きの扉の場合、仮に洗い場で転倒して起き上がれなくなった場合、体が邪魔して扉が開かなくなってしまいます。

浴槽に入るには、浴槽の淵を跨ぐ必要がありますが、跨ぐ箇所には縦型の手すりを設置しておくことスムーズに跨ぐことができるようになります。

浴槽内に安心して浸かっておくには、浸かった際に手の届く範囲に横型の手すりを設置しておくと姿勢を安定させることができます。

浴槽が深い場合には、浴槽内に浴槽台(踏み台)を設置しておけば、そこに足を乗せることができますし、浴槽に浸かる際に腰をかけることもできます。

また洗い場で安心して体を洗う動作をできるようにするには、シャワーチェアや滑り止めマットを用意しておくといいでしょう。

介護保険の住宅改修を活用して介護がラクになった具体例

佐藤ハルさん(仮名 90歳 女性)は一人暮らし。

大きな病気もなく健康的に生活していましたが、少しずつ足腰が弱くなり、自宅内での転倒が多くなってきました。

娘の英子さん(仮名 58歳 女性)が同居して様子を見ていますが、日中は仕事のため付き添うことはできません。

転倒することを見かねて介護保険で杖や歩行器のレンタルを検討しましたが、「そんなものは持ちたくない」と拒否されてしまいました。

そこで担当のケアマネジャーに相談。転倒が起きている箇所に手すりを設置することにしました。

今までに転倒した玄関、部屋に入る際の敷居など、お母様がどのように行動されているのか確認し、柱や壁に手をつくような箇所に手すりを設置したのです。

いつも手をつく箇所に手すりが設置されたので、お母様は自然に手すりを掴むようになりました。

自宅内での転倒はなくなり、また以前のように活力のある生活が戻ったのです。

まとめ

介護保険には住宅改修という住環境を整備するためのサービスを一部負担で利用することが可能です。

どこにどのような改修をすればいいのかについては、「どんなことで困っているのか」を担当のケアマネジャーに伝えるようにしましょう。

  • 転倒してしまう
  • 滑ってしまう
  • 怖くて動作ができない
  • 立ち上がりにくい

具体的にはこのようなことをケアマネジャーに伝えると、適切な対応をしてもらえます。

決して我慢したり、一人で抱えることはせずに、うまくサービスを利用するようにしましょう。