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高齢者の親の一人暮らしが心配…事故を防ぐ具体的な方法

高齢化に伴って、高齢者の一人暮らしが増えています。また自宅内での事故も多くなっています。高齢者の事故を防ぐための方法についてお伝えしていきます。

高齢者の親が一人暮らしをしているという方は多いのではないでしょうか。

高齢化に伴って、高齢者がいる世帯は増えていますが、高齢者がいる世帯の中で一人暮らしをしている高齢者は約3割にのぼることが分かっています(参考:国民生活基礎調査 平成28年)。

新聞やテレビなどの報道を見ていても「孤独死」といった暗いニュースが多くなりました。そのため一人暮らしに対する不安を抱えている高齢者やその家族は珍しいことではなくなったのです。

ここでは高齢者の一人暮らしの現状についてお伝えし、注意しなければならないポイントは何か、事故を防ぐにはどうしたらいいのかお伝えします。

また実際にうまく一人暮らしができているエピソードもご紹介していきましょう。

目次

高齢者の一人暮らしの現状と多くみられる事故について

高齢者の一人暮らしは、冒頭にお伝えした通り増加傾向にあります。

その理由として、高齢化が進んでいることはもちろんのこと、子供と同居する家庭が少なくなったということが挙げられます。

親との同居を望まないという理由に踏まえて、高齢者にとっても子供の世話になりたくないという方が多いのも大きな理由であると言えるでしょう。

高齢者の一人暮らしにおいては、事故の発生に注意が必要です。特に発生場所で多いのは住宅内での事故であり、その他にも交通事故や火災なども見られています。

住宅内においては転倒や転落がとても多く、急な病気を引き起こすようなこともあります。

特に女性においては骨粗しょう症などによって骨がもろくなることが多くなりますので、立ち上がりの際に転倒してしまったり、階段を踏み外して転落した場合には骨折してしまうことがあります。

また男性においては寒い冬の日に入浴することによって、血圧を急激に変動させてしまうことによるヒートショック(心筋梗塞など)を起こしてしまうことも少なくありません。

高齢者の一人暮らしにおいては、このような高齢者特有の事故を把握しておき、その対策を講じることが重要になります。

高齢者の一人暮らしでの事故を防ぐ具体的な方法

高齢者の一人暮らしでの事故をみていると、意外にも庭や外出先よりも住宅内が多くなっています。住み慣れた自宅であるからこそ、気が緩んでしまって転倒や転落してしまうのです。

そのため転倒しやすい場所を把握して、その対策を講じておくことが大事になります。

転倒で多いのが居間やリビング、玄関、階段、浴室など、普段から活用している場所となっています。

高齢者は知らないうちに心身の機能が低下してきますから、すり足で歩くことが多くなり、僅かな段差などでも足を取られてしまいます。

そのためカーペットや敷居などのちょっとした段差でも躓いてしまうのです。

高齢者の足が取られてしまうようなカーペットなどは敷かないようにしておけば、転倒予防とすることができます。

また階段や浴室などで滑って転落してしまうこともあります。そのため階段の滑り止めや手すりを設置しておくことも重要になります。

介護保険を利用して一部負担で福祉用具を導入したり設置することができますので、担当のケアマネジャーなどに相談してみるといいでしょう。

室内で転倒などを経験してしまうと外出することが怖くなり、さらに筋力を低下させてしまう悪循環に陥ることがあります。

そのため筋力を低下させないように、外出支援や機能訓練のためにデイサービスを利用することも事故を防ぐ手段となります。

高齢者の一人暮らしの事故を防いでいる具体例

高齢者の一人暮らしで、事故をうまく防いでいる具体例をご紹介しましょう。

高齢の男性 鈴木和夫さん(85歳、仮名)は配偶者が亡くなった10年前から一人暮らしをされています。その娘 明子さん(55歳 仮名)は時折お父様のもとを訪れながら、健康に生活を営めているか気にするようにしています。

お父様は5年ほど前に自宅内で転倒して、頭をぶつけたことがあります。たまたま直後に娘様が訪問したために、事なきを得ています。

ただ娘様は今後のお父様の生活が不安になり、転倒のことを役所に相談し、あらゆる対策を講じるようにしたのです。

まずは介護保険サービスの導入。お父様は介護認定を受けていませんでしたが、役所のアドバイスもあり認定を取得しました。

地域包括支援センターの支援もあり、自宅内の必要箇所に手すりや滑り止めを設置することができました。筋力維持のためにリハビリデイサービスにも週に一度、利用するようになりました。

同時に緊急通報システムと火災報知機も導入しました。これで急なアクシデントの際でも、外部に知らせることができるようになったのです。

また地域包括支援センターからの情報提供によって、地域の民生委員がお父様のもとに訪問してくれるようになりました。さらに地域の自治会も協力してくれるようなり、声をかけてくれるようにもなったのです。

娘様はお父様がよく行かれる近所の商店にも声をかけておき、何かあった際には娘様に連絡してもらうようにしておきました。

このように行政や福祉、地域などの協力のもと、お父様は安心して暮らせるようになり、娘様も今まで通りお父様に関われるようになったのです。

まとめ

高齢者の一人暮らしは、何かと不安な面や注意しなければいけないポイントがあります。

ただ医療や福祉、行政、地域などのサービスを利用していけば、うまく一人暮らしが継続できるようになります。

高齢者自身がいつまでも意欲的に生活できるように、介護サービスや行政サービスなども活用するといいでしょう。必要に応じて、高齢者の住む地域にある地域包括支援センターや役所に相談するようにしましょう。

特に高齢の親を持つ子供は一人暮らしをしている親に対して、同居や近居などによって、介護に取り組むことを検討する方も多いのではないでしょうか。

しかし親が持つ希望なども踏まえながら、まずは一人暮らしが継続できる方法を探ってみることがいいでしょう。