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介護離職せずに親の介護に取り組むには~うまく介護サービスに繋げる工夫を

介護離職せずに親の介護に取り組む方法をお伝えしています。介護離職には多くの問題があります。介護サービスをうまく活用して、負担のないように介護に取り組みましょう。

親の介護に直面すると、仕事を離職して介護に取り組もうと考える方が多いことが知られています。

その状況のことを「介護離職」と呼び、新聞や報道でもその問題性について、たびたびクローズアップされていることはご存じでしょう。

親の介護は子供がするべきもの、そのためには離職もやむを得ないという考えによるものですが、実はそれほど介護離職に利点はありません。

むしろ介護サービスを利用すれば離職せずに親の介護に取り組むことが可能で、自身の精神衛生上においても望ましいといえるのです。

ここでは介護離職について詳しくお伝えし、介護離職せずに親の介護を進めていくにはどのようにすればいいのかご紹介します。

目次

介護離職の問題点

介護離職が増える要因として、まだまだ「親の介護は子供がするもの」という考え方が根付いているように感じます。

少しずつ親の心身に衰えを感じるようになり、介護が必要になった時点で介護サービスを検討するよりも離職を検討してしまうのです。

しかし問題点として次のようなものが挙げられます。

・離職することで経済的な基盤を失ってしまう

・介護を一人で抱え込んでしまい大きなストレスとなる

・介護者自身がうつ病を発症するなどメンタル疾患のリスクが高まる

経済的な基盤を失ってしまうと、将来への不安が強くなってしまいます。

仮に親に介護施設が必要な場合でも、経済的な問題がネックとなって、検討できなくなってしまうことがあるのです。

また介護サービスを利用せずに、自分一人で介護を抱え込んでしまう可能性があります。

「親の介護は子供がするもの」といった考え方に加え、「自分が介護すれば節約できる」といった経済的な理由も背景にあるからです。

一人で抱え込んでしまうと、ストレスが積み重なることになり、いい介護ができるはずはありません。

またそのような状況がきっかけとなって「介護うつ」と呼ばれる、うつ病を発症するリスクも高まります。

このように介護離職は、経済的にも精神衛生上においても、利点を感じる部分はないのです。

介護離職する前に検討すべきこと 

・会社や上司に相談する

・休職制度などを活用する

先ほどの章でもお伝えしている通り、親の介護を一人で抱え込んでしまっていることが少なくありません。

そのため実際に離職する際には、「親の介護」が離職の理由であると会社や上司には相談していないことが多いのです。

しかし離職を決断する前に、まず信頼のおける上司や同僚に相談することをおすすめします。相談すれば勤務上で何かしら優遇してもらえる可能性があるからです。

例えば親の通院に付き添わなければならないときには、有給休暇を取得させてもらえるかもしれません。日常的に何かしら親に支援が必要な場合でも、時短勤務などの相談ができることもあるでしょう。

会社には自身と同年代の職員も多いはずです。そのため親の介護の悩みを打ち明ければ、どれだけ忙しい部署であるとしても親身に乗ってくれる上司や同僚はいるのではないでしょうか。

また国が定めている介護休暇や休業の制度を活用することも一つの方法です。

「忙しい部署だから」「職場に迷惑をかけてしまう」という理由から離職を選んでしまうのですが、上司に介護の現状について相談し、状況によっては制度をうまく活用していきましょう。

親の介護を始めるには必ず介護サービスの利用を

・地域包括支援センターに相談する

・介護認定を受ける

親の介護を進めていくには、介護サービスをうまく活用していくことが大事です。

一人で抱え込むのではなく、介護サービスに任せてしまう姿勢が、長く介護に取り組むためには必要なのです。

介護サービスをどのように利用していけばいいのか分からないという方も多いでしょう。そのような場合には、「地域包括支援センター」に相談することから始めることをおすすめします。

地域包括支援センターとは、おおむね中学校区に一つある「高齢者の困りごとの相談センター」です。主任ケアマネジャー・社会福祉士・保健師が配置されていて、地域の高齢者福祉のために必要な業務を行っています。

高齢者に関する困りごとはすべてここで解決できると言っても過言ではありません。

介護サービスを受けたいのであれば、制度についてしっかりと説明を受けることができますし、必要に応じて介護認定の代行申請もしてくれます。

そのまま介護サービスの調整までしてくれますから、不安なく介護に取り組むことができるのです。

介護離職についてもお悩みがあるのであれば、地域包括支援センターのスタッフに相談してみましょう。

まとめ~離職せずに介護サービスの利用を

わが国に多い介護離職の問題についてお伝えしました。

「親は子供が介護するもの」

まだまだそのような理解があるのでしょう。それが今日の介護離職に繋がっているのは間違いありません。

しかし介護サービスが普及している中で必要なことは、親に対して直接介護するのではなく、介護サービスが受けられるように支援することではないでしょうか。

介護サービスは高齢者の親からすると、とても分かりづらく複雑な制度です。

それらがスムーズに受けられるようになるだけで、高齢者の親の生活は充実したものになるはずです。

また自身も安心して働き続けられるようになるでしょう。

まずは住んでいる地域にある地域包括支援センターに相談し、介護を受けられるように整えることから始めてみてはいかがでしょうか。