福祉用具は、「歩きにくい」「立ち上がりにくい」「起き上がりにくい」「寝返りができない」などといった障害をお持ちの方に、自立した生活ができるようにするための生活用具です。
また福祉用具を活用することで、転倒や転落などの事故を防止し、症状の悪化を防ぐという役割も持っています。
生活に必要な福祉用具については、介護保険を利用してレンタルすることができます。
福祉用具にはどのような役割があるのか、どのような福祉用具をレンタルすることができるのかご紹介しましょう。
目次
福祉用具が担っている役割
・自立した生活が生活が続けられる
・転倒や転落などの事故を防止する
・介護状態の悪化を予防し、機能の維持向上を図る
・介護者の負担を軽減する
福祉用具の役割として、このような内容を担っています。
自立した生活が生活が続けられる
例えば歩行が不安定な方であれば、杖や歩行器を活用すれば外出することができるようになるかもしれませんし、自宅で身の回りのことができるようになるかもしれません。
いつまでも自分のことができるというのは生活を営むうえで自信になりますし、人とかかわる機会も増えますから社会性を高めることができます。
転倒や転落などの事故を防止する
歩いているときに転倒したり、ベッドから転落したり、階段から落ちるような事故が高齢者には増えています。
事故によって足の骨などを骨折してしまい、介護が必要になってしまうことがあるのです。
しかし福祉用具を活用すると、事故のリスクを軽減させることができますから、本人も安心して行動ができるようになります。
介護状態の悪化を予防し、機能の維持向上を図る
介護を予防するためには、日常的にできることは自分でするなど、体を動かすことが大事です。
しかし高齢になり体が動かしにくくなると、そのまま自宅に引きこもってしまい、余計に状態を悪化させてしまうことがあります。
福祉用具を活用することで自分自身で行動ができるようになりますから、介護予防や機能の維持向上を図ることができます。
介護者の負担を軽減する
在宅での介護において介護者の負担が問題となっています。
しかし福祉用具をうまく活用して、自分自身で安全に行動できるようになれば、介護者の心身の負担もかなり軽減させることができます。
介護保険を活用した福祉用具レンタルの方法
・要介護・要支援の認定を受けると利用可能に
・介護保険で利用できる福祉用具は13種類
・介護保険認定によってレンタルできない福祉用具もある
・レンタル費用は所得に応じて1割~3割を福祉用具業者に支払う
介護保険を活用した福祉用具レンタルの利用方法についてのポイントは上記の通りです。詳しくご説明していきましょう。
福祉用具利用までの流れ
福祉用具のレンタルは、要介護・要支援の認定を受けると利用することができます。
担当のケアマネージャーや地域包括支援センター職員等のアドバイスを受けながら、どのような福祉用具が必要になるのか相談し、福祉用具利用にサービス関する計画を立ててもらうことができます。
例えば布団から立ち上がりにくいという悩みをお持ちの方であれば、介護ベッドを導入したり、布団の横に手すりを備え付けたりすることができます。
どのような場面でお困りであるのか、担当のケアマネジャーなどに伝えるようにしましょう。
またレンタル中においては、福祉用具事業者からメンテナンスやアフターサービスを受けることもできます。
介護保険で利用できる福祉用具は13種類
介護保険で利用できる福祉用具は次の13種類となります。
特殊寝台:
介護用ベッド。
特殊寝台付属品:
床ずれを防止するマットレスや転落防止のための柵(サイドレール)など。
床ずれ防止用具:
床ずれにならないための体圧分散効果のあるエアマットレスなど。
体位変換器:
寝返りができない人のために体位変換をスムーズに行う用具。
車椅子:
自走できるもの、介助して利用するもの、電動のものなど。
車椅子付属品:
車椅子で利用するクッションや姿勢保持用品など。
歩行器:
4輪タイプ、固定型のものなど。
歩行補助杖:
4点杖、ロフストランドクラッチなど。※1本杖はレンタル対象外。
手すり:
工事なしで設置できる手すり。
スロープ:
工事なしで設置できる敷居や上がり框など段差解消のための用具。
移動用リフト:
移動が困難な人のための移動用リフト、バスリフトなど。
認知症老人徘徊感知機器:
認知症の人のトラブルを未然に防ぐための警報装置。
自動排泄処理装置:
排泄されると自動的に吸引する装置。
介護保険認定によってレンタルできない福祉用具もある
要支援1・2および要介護1の状態の人は、心身の状況からレンタル可能な福祉用具が限定されています。
例えば車椅子や介護用ベッドなどについては、原則では介護保険を活用してレンタルすることができません。
ただし身体状況によってはレンタルすることもできます。「例外給付」と呼ばれるもので、行政から必要だと認められた場合には利用することが可能です。
もし該当の認定をお持ちであれば、担当のケアマネジャーなどに相談するようにしましょう。
レンタル費用は所得に応じて1割~3割を福祉用具業者に支払う
介護保険を活用した福祉用具のレンタル費用については、所得に応じて1割から3割の負担が必要になります。
利用者負担分については、レンタルしている福祉用具業者に対して直接お支払いすることになります。